こんにちわ、太陽舎@中の人です

今日は先日お客様からお預かりした品物のお話です
お預かりしてポケット部分を確認すると生地のあちこちが
空気が入った様に浮いている状態になっていました

剥離寸前の合成皮革

剥離寸前の合成皮革

普通の方はなんだこれ、と思うかもしれませんが
クリーニング店で働いている人なら見て「ぞっ」とするこの写真

これは合成皮革が剥離しかかっている状態です
ここまで剥がれかけていると生地に極力ダメージを与えないドライクリーニングでも
一気に剥がれる恐れがあります・・
更に確認したところ首部分の合成皮革は
すでに一部剥がれていました

剥がれた合成皮革

剥がれた合成皮革

この状態ではドライクリーニングにも耐えられないと判断して
お客様と相談した結果この品物は返品させて頂きました

で、なんでこーなるの?という事なのですが
一言でいえば「寿命」です

合成皮革にはポリウレタンが使用されていますが
ポリウレタンの寿命は「製造から3年」と言われています
ちなみにPUレザーと言われたりもしますがPUはポリウレタンの略です

この「製造から」3年が意外とひっかかる所で
「購入してから」3年とは違います
たとえば今年購入した品物でも一昨年に製造された品物だとすると
すでに製造から2年経過しているので寿命としてはあと1年、となります
ですので買って1シーズン着ただけなのに剥がれてきた、という事も十分ありえる事だったりします

そして更に困るのが寿命なので剥がれるのを回避する手段がない、という事です・・
よく「どうにかならない?」と相談を受けるのですが基本はどうにもなりません

ただ、合成皮革がステッチ的に使われている品物の場合は
逆に合成皮革を全部取ってしまう、という方法もあります
合成皮革の下は同系色の布地が貼られている事が多いので
いっそ綺麗に剥がしてしまうと意外と違和感がなくなる、という寸法です
いわゆる裏メニューみたいなもんですが言って頂ければやりますので
お困りの際は是非ご用命ください(´ω`)ノ